北京協和病院看護師ががん研有明病院で短期研修を修了しました
2025/12/05

中国医学科学院北京協和医院の看護副師長である、劉霞氏(婦人科)と何悦氏(西単院区国際医療部)は、2025年度の北京協和医院人材育成プロジェクト「100名キャリアアップ計画」(※)に選抜され、 当協会の手配のもと、2025年9月1日から3か月間、がん研究会有明病院にて看護研修を行いました。
※同院が2009年に設立したプロジェクトで、将来有望な若手人材を選抜し、海外のトップレベルの医学系大学や医療機関における交流・学習を通じて視野を広げ、グローバル人材を育成することを目的としています。
研修開始に先立ち、がん研究会有明病院看護部の先生方が、両氏の希望内容に基づき、綿密な研修計画を作成してくださいました。臨床実習、看護教育、運営管理の各側面から体系的に学ぶことができる研修プログラムとなりました。
臨床実習では、各科の治療における標準化プロセスを学ぶとともに、がん患者への多様な支援を見学・体験しました。
看護教育では、レベル別・専門別・テーマ別に設置された院内研修に参加し、一人ひとりが目標をもってスキルアップできる体制を理解しました。また、日本の専門看護師認定制度について学ぶ中で、専門性の高い看護人材育成についての理解を深めました。
運営管理の面では、臨床業務の効率と安全性を支える仕組みを学び、医療安全研修や委員会活動を通じて継続的な改善が図られていることを理解しました。
研修最終日には、院内講堂にて研修成果発表の機会を設けてくださいました。看護部よりお忙しい中70名の方々がご出席くださり、両氏の発表に熱心に耳を傾けておられました。
劉看護師の発表 何看護師の発表
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両氏の発表より: 今回の研修を通して、最先端技術、情報共有システム、人間的配慮が融合した模範的な医療現場を体験することができ、視野を大きく広げるとともに、質の高い看護の本質を根本から見つめ直す機会となりました。特に、医師、看護師、薬剤師、 カウンセラー、支援センターなど多職種が連携し、患者と対話を重ねながら、将来の治療や生活の目標を自己決定できるようサポートする体制は、患者一人ひとりの生命を最大限に尊重する病院の理念を強く感じました。また、看護教育が単なる技術習得にとどまらず、看護職としてのアイデンティティ形成、職業的自覚や責任感の育成につながっていることも学びました。高度な専門性に加え、「社会人基礎力」や「チーム協働」の素養を備えた看護師を育てる仕組みが整えられている点も大きな学びでした。 |
看護部長より、「お二人は非常に優秀で精力的に学んでいました。彼女たちとの交流は、中国の看護について理解する機会となり、また普段は気づかない自院の良さを再認識するきっかけにもなり、私たちも刺激を受けました」とのお言葉を頂戴しました。
ご指導いただいた先生方との記念撮影
研修修了書と交流記念証
本研修は、日中両国の実務者交流の一環として、看護教育および臨床実践の質向上に寄与する意義深い取り組みとなりました。がん研究会有明病院看護部の先生方をはじめ、病院職員の皆様には、中国からの看護師の訪日研修に対し、惜しみないご指導とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。


