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日中医学協会ブログ

笹川同学会西北・北京支部学術交流会が開催されました

2025/07/16

笹川同学会西北・北京支部学術交流会が開催されました

 6月28日(土)、笹川医学奨学金進修生同学会(笹川同学会)の西北・北京支部学術交流会が山西省太原市の湖濱国際大酒店で開催され、山西省、陝西省、甘粛省、青海省 、寧夏回族自治区 、 新疆ウイグル自治区、および北京市の笹川生OB51名が参加しました。日本からも日中医学協会の事務局がオンラインで参加して、親睦を深めました。
 学術交流会は、李国棟理事(第16期笹川生)の司会のもと、「老年医学」をテーマに、3名の招待講演と2名の笹川同学会会員による講演が行われました。
 日中医学協会は、笹川同学会の要望に基づき、李嘉君 一般社団法人M&W国際人材教育機構理事を日本の専門家として派遣しました。
 また、会の冒頭、司会者から、2025年6月、講演者である李莉(第44期笹川生)氏がAmerican Academy of NursingのFellowに選ばれたことが報告されました。Academy Fellowは看護学の教育、実践、研究において最も成果をあげたリーダーに対して授与されるものであり、大変栄誉ある称号です。

■講演者

李嘉君 一般社団法人M&W国際人材教育機構理事、株式会社IKO主任ケアマネージャー
 「日本の介護保険制度の紹介」
 日本の介護保険制度の成り立ち、制度の仕組み、そして提供されるサービスの内容について分かりやすく解説された。あわせて、日本の医療保険制度や地域包括ケアシステムについても、制度の特徴や運用の実態に触れながら詳しく紹介された。さらに、介護付き有料老人ホーム、デイサービス、居宅介護支援、福祉用具の貸与など、日本国内で提供されている多様な介護サービスについて、具体的な事例を交えて説明された。

周紅艶 西安交通大学第一附属医院副主任看護師
 「ホリスティックな視点からの高齢者の健康管理」
 高齢者の健康管理においては、身体の健康だけでなく、心理的・社会的・環境的・精神的側面を含めた、全人的なケアを目指すホリスティックなアプローチが重要であるとされている。生活習慣病等の事例を挙げて、その具体的な実践としては、栄養・運動・睡眠の適切な管理に加え、ストレスや不安、孤独感への対応、社会的なつながりの維持など、多岐にわたる対応について説明された。

銭 力 山西医科大学第一医院教授
 「高齢者における多病併存とポリファーマシーの管理」
 高齢者の健康管理においては、複数の疾患を同時に抱える「多病併存」の状況が一般的であり、それに伴うポリファーマシー(多剤併用)の適切な管理が重要となっている。ポリファーマシーの定義および評価方法について解説し、管理の要点として、患者の全体像を把握する包括的な評価、薬剤の見直し(減薬・適正化)、医師、薬剤師、看護師などによる多職種連携の重要性について発表された。

李南方 新疆自治区人民医院教授(第7期笹川生)
 「閉塞性睡眠時無呼吸症候群に起因する高血圧と合併症への対策」
 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状と原因について詳しく解説し、治療が遅れることによって発症する合併症の危険性についても解説された。対策として、CPAP(持続陽圧呼吸療法)の導入に加え、生活習慣の改善や薬物療法について説明された。また、アスピリンの応用が新たな治療選択肢として紹介された。

李 莉 山西医科大学第一医院主任看護師(第44期笹川生)
 「高齢化社会における付き添い不要病室のモデル再構築と品質向上」
 高齢化が進む中国において、患者の家族による付き添いが前提となっていた従来の入院体制を見直す動きが広がっている。その一例として、山西医科大学がモデル地区の一つに選定され、付き添い不要病室の新たな運用モデルに関する取り組みが発表された。この試みでは、専門の介護士によるケア体制を導入することで、患者の安全と、家族の精神的・身体的負担の軽減と医療サービスの質的向上を目指しており、地域医療と介護の統合的なモデル構築に向けた実践が報告された。