中国医師協会胸部外科学会代表団が日中医学協会を表敬訪問されました
2025/08/14
8月1日(金)、中国医師協会胸部外科学会の代表団が日中医学協会を表敬訪問し、小川秀興日中医学協会会長(学校法人順天堂理事長)が応対しました。
夕方、歓迎夕食会が開催され、小川会長は挨拶の中で、「医学・医療の進展は目覚ましく、日中両国の情報共有と人的交流が、学術的発展と臨床の向上に大きく寄与する」と述べ、今回の訪問を通じて、日中両国の医師同士の絆が一層深まることへの期待を語られました。
代表団団長である赫捷(かく・しょう)胸部外科学会会長は、日中医学協会の長年にわたる貢献に感謝の意を示すとともに、「両国の呼吸器外科分野における交流をさらに広げていきたい」と意欲を示されました。
歓迎夕食会には、鈴木健司順天堂大学医学部呼吸器外科学主任教授にもご同席いただき、呼吸器外科の専門家同士の交流が図られました。鈴木教授は「アジアでは近年、非喫煙者の肺腺がんが増加しており、日中両国の専門家による共同研究の重要性がますます高まっている」と述べ、今後の協力への期待が共有されました。
8月4日(月)には、小川秀興会長と鈴木健司主任教授のご配慮により、代表団が順天堂大学を訪問されました。
順天堂大学では、まず「日本医学教育歴史館」を見学しました。同資料館は、日本初の医学教育専門の歴史資料館であり、近代日本における医師・医療従事者の育成の歩みを知ることができます。資料館館長でもある小川会長のご案内のもと、代表団は中国の医学教育の歴史と照らし合わせながら、熱心に資料を閲覧されていました。
その後、順天堂大学医学部呼吸器外科教室にて学術交流が行われました。鈴木主任教授の司会のもと、服部有俊准教授と福井麻里子准教授が、それぞれ最新の研究成果を発表されました。
• 服部有俊准教授:「Surgical strategies for early-stage NSCLC(早期非小細胞肺がんに対する外科的戦略)」
• 福井麻里子准教授:「Robotic assisted thoracic surgery (RATS) in Juntendo University(順天堂大学におけるロボット支援胸部手術)」
発表後には活発な質疑応答が行われ、非小細胞肺がんの外科治療やロボット支援手術に関する知見が共有されました。こうした交流を通じて、新たな共同研究の可能性が見出され、若手医療者の国際的な交流促進にもつながる有意義な機会となりました。
今回の訪問は、日中両国の呼吸器外科分野における学術的連携をさらに深める契機となりました。今後も両国の医療者が互いに学び合い、協力し合うことで、より良い医療の未来が築かれていくことが期待されます。
■中国医師協会胸部外科学会代表団名簿
赫 捷 会長、中国科学院院士、国家がんセンター長、中国医学科学院腫瘤医院院長
陳 昶 副会長、上海市肺科医院院長・教授
陳 椿 副会長、福建医科大学附属協和医院院長・教授
于 振涛 副会長、中国医学科学院腫瘤医院深圳医院胸部外科主任・教授
黄 雲超 副会長、前雲南省腫瘤医院院長・教授
李 鶴成 副会長、上海交通大学医学院附属瑞金医院胸部外科主任・教授
胡 堅 副会長、浙江大学附属第一医院胸部外科主任
許 順 副会長、中国医科大学附属第一医院胸部外科主任・教授(日中笹川医学奨学金制度第15期研究者)
譚 鋒維 中国医学科学院腫瘤医院胸部外科副主任、教授
張 超奇 中国医学科学院腫瘤医院講師
孫 長博 上海市肺科医院胸部外科副教授(日中笹川医学奨学金制度第38期研究者)