ハルビン市第一医院で二級病院医師に対する腹腔鏡技能研修を実施しました
2025/10/08
日中笹川医学奨学金制度研究者OB会(笹川同学会)は、中国政府の医療政策に基づき、二級病院(県級病院)の医師や看護師のスキル向上を目的とした各種研修事業を、2013年より毎年、中国各地で実施しています。
2025年5月10日(土)〜11日(日)には、中国・黒龍江省ハルビン市にあるハルビン市第一医院において、黒龍江省内の二級病院に勤務する医師70名を対象に、腹腔鏡技能研修が実施されました。研修は、第8期笹川奨学生であるハルビン市第一医院の李暁陽教授が実施責任者を務め、同院の全面的な協力のもと、参加者にとってニーズの高いテーマを取り上げた講義に加え、腹腔鏡トレーニングモデルを用いた基本手技訓練や腹腔鏡手術の実演など、非常に充実した内容で行われました。
【講義内容】
1. 腹腔鏡下における縫合・結紮技術(李暁陽教授)
2. 医原性胆道損傷の修復技術(徐力善教授)
3. 内輪アプローチによるヘルニア嚢モビライゼーションのTAPP術(禹宏教授)
4. 寒冷地における減量・代謝外科の課題と考察(徐東升教授)
5. 胆嚢結石と総胆管結石を併発した症例の治療戦略(張志強教授)
6. 中国における血管外科の発展と当院の現状(周偉忠教授)
7. 未来はすでに到来:3D内視鏡と無気腹技術による甲状腺外科の高精度化・低侵襲化の推進(斉明教授)
8. NCCN2024:直腸癌外科治療の最新動向~低侵襲技術と周術期管理~(鄭宇教授)
9. 胃食道逆流症および食道裂孔ヘルニアの診断と治療(崔磊医師)
【手術実演】
1. 下肢静脈瘤に対するレーザーを用いた低侵襲血管内閉鎖術(周偉忠教授チーム)
2. 腹腔鏡下スリーブ胃切除術(徐東升教授チーム)
3. 無気腹・経腋窩内視鏡下甲状腺切除術(斉明教授チーム)
4. 腹腔鏡下胆嚢摘出術(張志強教授チーム)
5. 腹腔鏡下肝部分切除術(李暁陽・張志強教授チーム)
6. 腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復・胃底部噴門形成術(崔磊チーム)
7. 腹腔鏡下胆嚢摘出術および総胆管切開・結石除去術(王勤運チーム)