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日中医学協会ブログ

奨学生交流会 ―Sasakawa看護フェロー・日中笹川医学奨学生―

2026/01/06

奨学生交流会 ―Sasakawa看護フェロー・日中笹川医学奨学生―

12月22日、Sasakawa看護フェローと日中笹川医学奨学金奨学生(以下、笹川生)による初めての交流会が、日本財団ビルにて開催されました。

Sasakawa看護フェローは、笹川保健財団が実施する、グローバルな視点を持つリーダー育成事業として、看護師の海外の大学院留学を支援しています。一方、日中笹川医学奨学金制度は、日中医学協会が中国の医学・医療分野を担う将来の指導者を育成するため、日本への研究者招請を支援する制度です。いずれも日本財団の助成によって運営されています。

今回の交流会は、笹川保健財団・喜多悦子会長から「海外留学後は自国の保健医療分野の発展に貢献するという共通の志を持つ若者同士が交流する場をつくりたい」との提案を受け、実現したものです。

会場には、異なる分野で学ぶ若い研究者たちが一堂に会し、初対面の緊張と、これから始まる交流への期待がほどよく混じり合った、温かな雰囲気が漂っていました。

■ 開会式

開会にあたり、笹川保健財団・喜多悦子会長は「初めて奨学金制度の枠を越えた交流会を開催します。もし今日が失敗であれば来年はありません。好評であれば来年も続けたい。」と、笑顔を交えながら会場を和ませる言葉を述べられました。その言葉の端々から、若い世代への信頼と温かなまなざしが感じられました。

喜多悦子会長の開会挨拶

続いて、日本財団・尾形武寿会長からは「看護と医療者は人類の健康を守る上で欠かせない存在であり、民族や国籍を越えた連携が必要です。政治情勢に左右されず、民間の交流を通じて互いの理解を深めることにこそ意味がある。たとえ今年うまくいかなくても、この交流には大きな意義があり、ぜひ続けてほしい」と、継続の重要性を強調する力強いメッセージがありました。

尾形武寿会長

 

■研究発表

看護フェローと、笹川生がそれぞれの研究内容を紹介しました。

 Sasakawa看護フェロー4名の発表

1.島田宗太郎(Shimada Sotaro)University of Illinois Chicago College of Nursing(PhD)                                        研究内容:慢性疼痛を有する現役軍人に対する補完・統合医療の治療修飾因子の探索

2.富増由菜(Tomimasu Yuna)University of California, Berkeley                                            研究内容:思春期の若者の性と生殖に関する健康 × ソーシャルネットワーク

3.馬盼盼(Ma Panpan)千葉国際医療福祉大学助手                                                          研究内容:Development of a Nurse-Led Home Care Support Package for Families Affected by Pneumoconiosis

4.奥原美穂香(Okuhara Mihoka)東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒                                            研究内容:職業性ストレス、労働環境、ディーセントワーク

笹川生9名の発表 

<学位取得コース>4名

1.張含煙(ZHANG HANYAN) 杏林大学大学院 国際協力研究科                                             研究内容:医療面接における異文化コミュニケーションの問題と医療通訳者の調整的役割
                      ―医療者・外国人患者・通訳者の多角的視点から

2.孔令帥(KONG LINGSHUAI) 北里大学大学院 医療系研究科                                                                                   研究内容:アミノグリコシドによる内耳毒性におけるTRPV4の機能

3.楊旭(YANG XU) 杏林大学大学院 国際協力研究科                                                   研究内容:在留中国人高齢者・中国帰国者の介護サービス利用と課題

4.庄鎧瑞(ZHUANG KAIRUI) 東京科学大学 生命理工学院
      研究内容:Applicability of Redox Blinking to Q-body with FCS

 <ポストドクターコース>5名

1.姚利(YAO LI) 千葉大学大学院 看護学研究院
      研究内容:在留中国人高齢者の老いへの準備教育アプリケーションの開発

2.賀渝淼(HE YUMIAO) 東京科学大学 生命理工学院
      研究内容:pain management, extended-released analgesic

3.王召陽(WANG ZHAOYANG) 順天堂大学大学院 医学研究科
      研究内容:環境プロテアーゼによる皮膚炎症および経皮感作の機序

4.黄格娜(HUANG GENA) 国立成育医療研究センター
      研究内容:Combined phospholipid adjuvant augments immune responses and mechanistic exploration

5.孟雪(MENG XUE) 日本医科大学大学院 医学研究科
      研究内容:細胞レベルで可視化可能な酵素活性測定法の開発

Sasakawa看護フェロー富増由菜さん(左)笹川生孔令帥さん(右)

孔令帥さんは「今日は初めて日本語で発表します」と少し照れた表情で話し始めましたが、研究内容を語る姿は落ち着いていて、丁寧に言葉を選びながら、しっかりと伝えようとする真摯さが感じられました。

 

■ 交流会

夜の懇親交流会は、カジュアルで軽やかな雰囲気の中で行われました。 日本財団・佐藤英夫常務理事の笑顔の乾杯挨拶、笹川保健財団・橋本朋幸常務理事のご自身の留学経験に基づく英語スピーチ、それぞれの言葉が、若い研究者たちの緊張をほぐし、会場に柔らかな空気を広げていきました。

 

佐藤英夫常務理事(左)と橋本朋幸常務理事(右)

 

笹川医学奨学金進修生同学会日本支部の池田マリアさんからは、学術交流会や健康講座、日本文化理解のための行事など、支部の活動が紹介されました。

笹川医学奨学金進修生同学会日本支部の活動を紹介する池田マリアさん

 

中国では、クリスマスイブに若者の間でリンゴを贈り合う習慣があります。「平安夜(クリスマスイブ)」に「平安果(平和の実)」を贈ることで、相手の平和と無事を願う意味が込められています。この習慣に合わせて、薄いピンク色の包装紙に包まれたリンゴが、Sasakawa看護フェローから笹川生一人ひとりへ手渡されました。思いがけない心のこもった贈り物に、笹川生たちは大喜びでした。

リンゴを手に喜ぶ笹川生たち

 

喜多会長は、開会前の待ち時間から交流会の最中まで、一人ひとりの笹川生のもとへ自ら足を運び、研究内容、日本での生活、将来の夢について熱心に耳を傾けておられました。若者を心から大切に思い、その成長と飛躍を願う姿勢は、会場全体に温かな安心感をもたらしていました。

 

■ 〜また来年、この場所で〜

今回の交流会は、奨学金制度の枠を越えて若い医療従事者同士がつながる貴重な機会となりました。 笹川生の姚利さんとSasakawa看護フェローの馬盼盼さんは、早速看護分野での共同研究について意見を交わしていました。専門分野の違いを超えて互いの研究に触れ、文化や言語の壁を越えて語り合う姿は、未来の医療を支える新たな力の芽生えを感じさせるものでした。

歓談するSasakawa看護フェローと笹川生たち

 

閉会の挨拶で、喜多会長は「See you in next December!」と明るく呼びかけられ、会場には「また来年もここで会える」という期待が自然と広がりました。 アットホームな雰囲気の中で多くの学びを得ることができ、笹川保健財団の皆様に心より感謝申し上げます。

来年、また皆様とお会いできることを楽しみにしています♪♬