日中笹川医学奨学金制度<学位取得コース>研究者が千葉大学で博士号取得!
2026/06/30

日中笹川医学奨学金制度第43期<学位取得コース>研究者の趙雪さんは、2026年3月に千葉大学において医学博士号を取得しました。
趙雪さんは2008年に上海交通大学医学院を卒業後、同年より上海交通大学医学院附属同仁医院に勤務し、長年にわたり、泌尿器科に関する臨床および研究業務に従事してきました。
2020年、日中笹川医学奨学金制度研究者の劉林祥教授(第9期生)、および邱朝暉教授(第26期)の推薦と激励を受け、学位取得コースに応募し、選抜されました。当時、35歳を目前に控え、また生まれたばかりの娘を持つ臨床医として、家族と離れ、異国で博士号取得を目指すことは、大きな決断と強い覚悟を要するものでした。その後、自身の研究テーマや将来の研究環境を総合的に検討した結果、医学教育および研究水準の高い千葉大学を留学先として選び、2021年に博士課程入学試験を受験し合格、博士課程へ進学しました。
博士課程在学中は、泌尿器外科学と人工知能(AI)を融合した医工学分野の協同研究に継続して取り組み、特に前立腺がんに対するロボット支援手術など、臨床的ニーズの高い分野に重点を置き、多くの臨床的価値を有する研究成果を挙げました。博士論文では、AIによる深層学習技術を用いた手術技能評価への応用をテーマとし、多施設臨床データに基づいてモデルを構築するとともに、その再現性と実用性を検証しました。本研究は、高い独創性と実用性を有するものとして評価されています。
在学中には、国際誌および国内学術誌に多数の論文を発表し、その中には筆頭著者論文も複数含まれ、基礎研究から臨床応用、さらには医学教育や手術技能評価に至るまで、幅広い領域における研究能力を示しました。特に、千葉大学工学部との医工学連携プロジェクトでは、工学的視点を積極的に取り入れることで医学研究手法の高度化に貢献し、研究チームから高い評価を受けました。その成果の一つとして、研究チームは関連医療機器について日本国内で特許出願を行っており、研究成果の社会実装に向けた取り組みも進めています。
また、国際学術交流にも積極的に参加し、米国泌尿器科学会(AUA)年次総会および日本尿路結石症学会など国際的学術集会において研究成果を発表し、学術発表や質疑応答を通じて高い評価を受け、表彰も受けました。
千葉大学在学中は、市川智彦教授、坂本信一教授らのご指導のもと、AI分野の最先端研究に取り組むとともに、国立がん研究センター東病院においてAI手術認識システム開発プロジェクトにも参加しました。この経験を通じて、プログラミング技術や研究デザインの考え方を体系的に習得し、AI技術を泌尿器腫瘍診療や医工学研究へと発展的に応用し、多くの成果を挙げました。
趙さんは、自身の成果を支えた最も重要な要素は「人とのつながり」であると語っています。千葉大学泌尿器科学教室の結束力と温かい雰囲気、そして自由闊達な研究環境が、円滑な共同研究を支え、研究活動を大きく前進させる原動力となりました。
また、日中笹川医学奨学金制度は、多くの研究者にとって力強い支援基盤であり、自身もその支援のもとで研究の視野を広げ、研究能力を大きく向上させることができたと振り返っています。研究生活だけでなく日常生活においても、奨学金制度の担当者からさまざまな支援を受け、安心して研究に専念できる環境が整えられていました。その結果、優秀卒業生代表として卒業式に登壇し、千葉大学学長から表彰を受ける栄誉にも恵まれました。
趙雪さん、このたびは医学博士号の取得、誠におめでとうございます!
市川智彦教授、坂本信一教授をはじめ、これまでご指導いただいた先生方への感謝の気持ちを胸に、今後ますます活躍され、日中両国の医学研究および医学交流の発展に大きく貢献されることを心より期待しています。




